4.E34型BMWを選んだ理由|女性オーナーの実体験と維持費・購入ポイントまとめ

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「古いけれど、美しい」——そんな感覚でE34型BMWに惹かれたことはありませんか?

本記事では、10年近くE34と暮らしてきた筆者が、自身の体験をもとに以下のような情報をわかりやすくお届けします:

  • E34型BMWの魅力を“感性”と“実体験”から知ることができる

  • 実際に所有してわかった維持費・整備の現実と向き合い方
  • 購入前に知っておきたいチェックポイントや注意点
  • 旧車との暮らしを“推し活”のように楽しむヒント

クラシックBMWに興味のある方、旧車を検討しているけれど維持面に不安がある方に向けて、E34とのリアルな日々をまとめています。旧車選びの判断材料としてぜひお役立てください。

E34型BMWとの出会い

教習所での印象的な映像

私がE34型BMWの存在を初めて意識したのは、まだ運転免許を取る前、教習所に通っていたときのことでした。

座学で流れた古いビデオ。内容そのものよりも、映像のなかで登場した黒いセダンに目を奪われました。

無音の映像に映る、角張ったリアと静かにハンドルを握る女性の後ろ姿。
言葉や音楽がなくても、その車だけが際立って見えて、不思議と胸が高鳴っていました。

言葉がなくても伝わるってこういうこと

と、自分の中の“感性スイッチ”が入った気がしました。

そのシーンは映像が終わっても、ずっと私の記憶の中でリピートし続けていました。

 

街中での再会

数年後。交差点で信号待ちをしていたとき、隣の右折レーンに1台の黒いセダンが滑り込んできました。

その瞬間、あの映像の記憶が一気によみがえりました。

これ…あの車だ

と直感的に思い、スマホで「BMW セダン 角ばってる」と検索を始めました。

 

たどり着いた名前は、“E34”。

まるで宝塚の舞台を遡るように、当時のカタログや資料を調べはじめ、「いつか乗るならこの車」と、心の中で静かに決まっていきました。

 

宝塚ファン視点で語るE34の3つの魅力

ハンドルを切る“間”に似たデザインの余白

銀橋を歩く男役のように、華美な装飾がなくても堂々としていて、フォルムの陰影だけで人の目を奪う。E34には、そんな静かな強さがあると感じています。

エンブレムも直線も、あえて“足さない”からこそ惹かれる。そんな不思議な魅力があります。

 

古くても“枯れない”美しさと佇まい

E34が発売されたのは1980年代後半。

でも今見ると、逆に新鮮な印象を受けます。

あの直線的なシルエットと控えめなボディラインは、男役が一礼する所作のように、何度見ても飽きない深さがあります。

洗練された“余白”に惹かれました。

 

整備も応援費と思える“推し活的”な愛着

購入から9カ月後、初の車検見積もりで出てきた金額は「247,600円」。

一瞬、目を疑いました。

内容は“ブッシュ”“ポンプ”“ホース”と、専門用語の山。

でも、整備士さんが「ここは年齢的に限界です」と静かに言ったとき、私は舞台衣装の寸法直しみたいに「じゃあ仕立て直してもらおう」と納得していました。

あまりに潔く並んだ整備項目と金額に、私は心の中で舞台のラストシーンばりに拍手しそうになりました。

ああ、この子も本番を迎える準備なんだな

と思ったんです。

「これも衣装メンテと同じ。整えてまた輝いてもらおう」と思った瞬間、その出費も“応援費”に変わりました。

推し活って、こういうことか…と体感しました。

 

E34の維持費と日常|所有者が感じた5つの現実

E34型BMWは本当に美しい車ですが、実際に所有してみるといろいろ「現実」もあります。

この章では、筆者が約10年ほどE34と暮らしてきたなかで感じた不便・注意点・コスト面のリアルと、それにどう向き合っているかをご紹介します。

車検で25万円!? 推しの現実と整備費の考え方

初めての車検では約25万円が飛びました。

内容は足回りのゴムブッシュ、燃料ポンプ、冷却系ホースの交換など。
年式や個体差にもよりますが、10〜20万円台の整備は珍しくありません

私は“E34積立”と呼んで、毎月口座に1万円ずつ移しています。

まるで舞台の遠征費用みたいに「次はどこが痛むかな」と想像しながら、整備明細を眺めるのがちょっとしたルーティンになっています。
数字が現実でも、「支える手ごたえ」を感じられる瞬間です。

💡対策・考え方

  • 年間10万円前後の“整備貯金”を組んでおく
  • 必要な整備を一度にやるのではなく「前倒し整備」「分割整備」も検討
  • 整備明細は「健康診断表」と思って愛読

部品の入手難と備え方

あるパーツが故障したとき、純正部品が“ドイツ本国からの取り寄せ”で2週間待ちという経験も。

古い車の宿命ではありますが、代替品や中古部品などの選択肢を持っておくことが重要だと実感しました。

💡対策・考え方

  • 純正品以外にもOEM・中古パーツの供給元をリストアップ
  • 旧車に強い整備工場と「部品が動く前に相談」しておく
  • 緊急時に備え、“よく壊れるパーツ”だけは先に調べておくと安心

快適装備が少ないことへの備え方

E34にはナビも自動ブレーキもスマホ接続もありません。

最初は「不便かも」と感じましたが、慣れるとむしろそのシンプルさが心地よくなってきます。

💡対策・考え方

  • 必要ならポータブルナビ or スマホホルダーでカバー
  • Bluetoothスピーカーで最低限の音楽環境を確保
  • 車内の“情報ゼロ空間”を“自分だけのシアター”ととらえて楽しむ

エアコン性能と季節ごとの工夫

真夏の冷房は走り出して10分後にようやく本格的に効く、冬のヒーターもじわじわ温まる…。

それでも「この子の中ではこのテンポが普通」と思うと、なんだか許せてしまう不思議さがあります。

💡対策・考え方

  • 夏:窓全開 → 高速走行5分で「自然ブースト」冷却法
  • 冬:ブランケットや温かい飲み物を車内に常備
  • 「暑さも寒さも“推しの気分転換”」と、感情転換するのが意外と効く

駐車時の気遣いが生む丁寧な習慣

スーパーの駐車場でも
「隣に自転車置き場はないかな?」「混んでないかな?」と少し気を使います。

でも逆に言えば、車を丁寧に扱う習慣が自然と身につくようになりました。

💡対策・考え方

  • よく行く場所の“停めやすい穴場”をあらかじめ把握
  • 狭い場所では「無理して停めない」選択肢も大事
  • ガソリンスタンドなどで声をかけられることも多く、会話のきっかけに

 

E34型BMW購入ガイド|迎える前に知っておきたい基礎知識

基本スペックと人気グレードの特徴

実際に手に入れる前、私はE34のスペック表を何度も眺めていました。

性能よりも年式やシルエットに惹かれていたけれど、それでも「525i」や「540i」って響きには憧れがありました。

項目 内容
モデル名 BMW 5シリーズ(E34型)
生産年 1988年〜1996年(日本導入は1989年〜)
ボディタ イプ セダン/ツーリング(ワゴン)
エンジン 直列6気筒(2.0L〜3.5L)
V8(4.0L)
M5(3.6L/3.8L)など
駆動方式 FR(後輪駆動)/一部モデルに4WD
トランスミッション 5速MT/4速AT(モデルにより異なる)

▶️ 特に人気が高いのは「525i」や「540i」、希少な「M5」はプレミア価格帯です。

 

2025年時点の中古車価格の目安

状態 価格帯(目安)
走行距離多め・整備記録なし 約130〜150万円
程度良好・整備記録あり 約160〜200万円前後
希少グレード(M5など) 250万円〜上限なし

注)価格は筆者調べ(2025年6月時点)。実際の販売状況により異なります。

📌 流通台数は少なく、良質な個体は“出会い”です。こまめなチェックが大切です。

 

購入前に確認したいチェックポイント

私自身も購入前に「どこを見ればいいのかわからない…」と戸惑ったので、
実際に整備士さんに確認してもらった項目を中心に、チェックポイントをまとめました。

✅ 整備記録が残っているか(オイル・冷却系・足回りなど)
✅ ゴムパーツやモールの劣化具合(雨漏りや風切り音の原因に)
✅ エンジン始動時の音や振動(異音・白煙に注意)
✅ 足回りの異音やふらつき(ブッシュ・ショックの劣化)
✅ 内装の状態(シートの破れ・スイッチ類の動作)

▶️ 特に「冷却系」「燃料系」「足回り」は要チェック。購入後すぐに整備が必要な場合もあります。

 

維持費の実例と予算設計のヒント

項目 実際の費用例
初回車検費用 約25万円(足回り・燃料ポンプ・ゴム類交換含む)
自動車税(3.0L超・13年超) 約76,500円/年
任意保険(車両保険込み) 約10〜20万円/年(年齢・等級による)
燃費 約6〜9km/L(街乗りは5km/L台も)

 

💡「整備費込みで車検は15〜25万円以上」が現実的なラインです。
“推しの健康管理”と同じ感覚で、余裕を持った予算設計をおすすめします。

 

まとめ|E34と暮らす“誇らしい日常”とは

一手間ごとに愛着が増していくこの車との暮らしは、まるで舞台の稽古期間のようでした。

エアコンが気まぐれでも、部品が遅れても、それでも「この子を選んでよかった」と思える。E34との暮らしは、まるで一緒に稽古してステージを作っていくような日々でした。

雨の日はシートを拭いてから乗るようになったし、いつの間にかガソリンスタンドの常連さんに「今日もいい姿ですね」と言われるようになりました。

そして、宝塚ファンが舞台を支えるように、
この車とも“愛と覚悟”で向き合っていけたら、きっと日常がもっと誇らしくなるはずです。

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